今月の「絶望名言」、アインシュタインの絶望
絶望の言葉が、あなたを救うこともある
そんな心の状態にそっと寄り添ってくれるラジオ番組、それが NHKラジオ第一『絶望名言』 です。
文学紹介者・頭木弘樹さんが、文豪・哲学者・詩人などが残した“絶望の名言”を紹介しながら、 人間の弱さや苦しみを否定せず、丁寧に語り合うこの番組。
今月は相対性理論で有名な「アルバート・アインシュタイン」の絶望名言です。今年は没後70年の節目でもあります。
では彼の絶望と希望を、一緒に味わってみましょう。
- 名前: アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)
- 生年月日: 1879年3月14日
- 出身地: ドイツ(ウルム)
- 死没: 1955年4月18日(アメリカ・ニュージャージー州)
- 職業: 理論物理学者
誰もが自分を知っているが、本当に知っている人はごくわずかしかいない
▶アルバート・アインシュタインは、科学の世界だけでなく、哲学や平和の分野においても多大な影響を与えた人物です。有名人だからこその言葉かもしれませんが、誰もが、自分という人間を本当に理解してくれる人というのはわずかしかいないのかもしれません。
嘘に欺かれたことがない者には、幸せの意味はわからない
▶ゲーテの「涙と共にパンを食べたことがない者には、人生の本当の味がわからない」に近しい言葉です。
結婚とは偶発的小事件から、なにか永続するものを作り出そうとする、成功しない試みだ
▶結婚は長続きしないよという意味です。出会いはたまたま、それを運命といい結婚はするが、長続きしない。実際アインシュタインの結婚はうまくいきませんでした。
なぜ少数の人達がおびただしい数の国民を動かし、彼らを自分達の欲望の道具にすることができるのか。戦争が起きれば一般の国民は苦しむだけなのに(略)
人間には本能的な欲求が潜んでいる、憎悪にかられ相手を絶滅させようとする欲求が。憎悪と破壊という心の病に侵されないようにする方法はないのだろうか。
▶ユダヤ人であるアインシュタインがナチスから逃れ、亡命先のアメリカ大統領・ルーズベルトに、ナチスよりも先に原爆を開発するようすすめたことは有名な話です。しかしその原爆が、彼の愛した日本に落とされたのです。彼は生涯この事を悔やみます。
成功した人間になろうとするな。むしろ価値のある人間になろうとせよ
▶アインシュタインのいう価値のある人間とはなんでしょう?大金を持っている人ではない、権力を持っている人でもない。それは「本当に価値のある人は、野心や義務感からでなく、人間に対する愛情や献身から生まれます(略)私の行く手を照らし前向きに人生に立ち向かう勇気を与えてくれえたのは、親切心と美と真理でした」
他の人の喜びを喜び、他の人と共に苦しむこと。これが人間にとって一番の指針です
▶平和主義者としても有名だったアインシュタイン。彼が目指す人間とはこういう人を指すのです。
後世の皆さん。あなたがたが今の私達より公正に平和的になっておらず、もっと分別を持っていないのなら、悪魔にさらわれてしまいますように。
▶最後に皮肉のこもった絶望名言です。現在でも各国で戦争は続いています。終わりも見えません。あの世からアインシュタインは我々をどう見ているでしょう。
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おわりに
アインシュタインの絶望名言、いかがでしたでしょうか?
天才にもあった孤独、裏切り、苦悩。そして希望。あなたの心に何か残ればと祈りつつ、今夜は筆を置きます。
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